突然ですがあなたは空手をどのくらい知っていますか?
「やっている」ひとを除くとほとんどが、
殴ったり蹴ったりして戦う
そんなイメージだと思います。
せっかくオリンピック競技にも選ばれたことですし、ちょっと知ってみませんか?
さて、
「突き技の後の引手」
にはどんな意味があるか知っていますか?
今回はこの辺について説明します。
1.空手の発祥地によって突き技が違う
大きくわけて、
に分類されます。
細かいことを言うと、空手の歴史を中国の時代から遡ることになってしまうので今は割愛します。
とりあえず、那覇手ってのと首里手ってのがあるんだなぁくらいにおもってください。
それぞれ軽く説明すると、
那覇手
4大流派の一つ、剛柔流がこれにあたります。
どちらかというと接近戦を得意とし、
粘り強い攻撃や鋼の肉体を作ることで有名です。
僕はこの流派の先生の所でかれこれ8年稽古させていただいています。学生時代はあまり流派とか興味なかったので(笑)
呼吸を重要視し、
シンプルな動きなのに相手が(痛すぎて)動けなくなる不思議な突き技が沢山あります。
蹴り技は金的のみです。
(少なくとも僕のところは)
首里手
松濤館流が有名でしょうか。
国内国外問わず勢力が大きい空手協会もこれに属します。
映画「黒帯」に出演されていた中達也師範も協会の方ですね。
特徴はダイナミックで躍動感のある動作と、遠い間合いからの飛び込みです。
僕は首里手について勉強不足であまり詳しくありませんが、一般常識程度には知っています。
空手の発祥地
上の二つの系統は、元は一つの武術でした。
それが長い歴史の中で、
地域に根ざしたそれぞれの発達を遂げたのです。
また、その過程で先人達は中国の武術とミックスしてきました。
ですので同じ空手と言っても全く違う文化なのです。
2.空手の突き技の引手の意味は!?
これについても色々な解説がされています。
僕が紹介するものは先生から教わったことなので別系統の方からすると意見もあるかと思いますが、そこは容赦ください。
首里手の引手の位置
首里手系統の流派は、
突きの後に拳を腰の位置まで引きます。
これは沖縄の人が戦う時に使っていた武器に由来します。
そう!槍です。
槍を構える際は胸元ではなく、
腰の位置に構えます。
そして、敵に向かって一直線に伸ばします。
これが首里手の突き技の原型と言われています。
今でこそ武器を使わずに戦うことが空手の美徳かのように言われていますが、そんなことは全くなくて、勝たなきゃいけない世界だったんです。
そこにあるものはなんでも使う。
生き残ることがすべて。
徹底して合理性を追求する。
そんな考え方の中で武術は発展してきているのです。
なので、
槍の稽古がそのまま徒手(武器がない場合)の戦いに応用できるように現在の形になっていったのです。
首里手の代表的な技である飛び込みによる突きもこの槍の操法から来ていると思われます。
那覇手の引手の位置
これは昔合同練習に参加した時に教わったことです。
特に秘密ではないそうです。
引手を胸の位置にとります。
ずいぶん首里手と印象が違いますね。
正直に言うと、僕が高校生の頃は首里手の引手の方がかっこいいと思っていました(笑)
この胸の位置に引くというのは、
さっきの槍の例とは違い、完全に素手で相手を倒すことを目的としています。
単純に連続して相手を突く場合、どちらの方が体の仕組み的に自然ですか?
実際にやってみるとわかりますが、
確実に胸の位置に引く方がストレスがありません。
また、この引手にはもう一つ意味があり、
1打目は突きではなく、相手を捕まえる動作なのです。
(解釈は沢山あります)
引手で自分の方へ引き寄せながら、もう一方の手で突く。
想像しただけでえぐい技ですが、
そういうもんなんです。
当たるか当たらないかのギリギリの賭けは術とは呼びません。
ほんの少しでも自分に有利にはたらくように全ての動きが体系化され、確実に生き残るすべが、武術として伝わってきたのです。
もっとえぐい技法は沢山あるのですが、
文章で説明するのはさすがに無理があるので
今日はここまでにしておこうと思います。
3.まとめ
引手ひとつとっても空手は奥が深いものです。
今回は紹介しませんでしたが、極真カラテのようなフルコンタクト空手にも独自の技術が沢山あります。
どれが正しいとか、どっちが正統とかはどうでも良くて、本当の体の使い方(つまり技術の本質)を掴むことが重要なんだと思います。
偉そうに(そして嬉しそうに)説明たれている僕自身まだまだ修行の身です。
自分の空手(空手に限らずすべての武術で)に行き詰まりを感じた人のちょっとしたヒントになればいいと思って今回の記事を書きました。
また気づいたことを細切れにアップしていきたいと思います。
ではまた!